株価が上がっても、暮らしは別の話
株価が上がったというニュースを見ると、投資をしている私にも、うれしい気持ちはあります。
でも、それだけで暮らしが楽になったとは言えません。買い物をするときの価格や、これから必要になるお金のことも、同じように気になるからです。
今回は「株高・円安・金利高」について考えます。株高は株の価格が上がること、円安は円の価値が外貨に対して下がること、金利高はお金を借りたり預けたりするときの金利が上がることです。
この三つは、同時に起きても不思議ではありません。そして、家計への影響は人によって違います。株を持っている人、預金を中心に備えている人、借り入れがある人。それぞれに、うれしい面と心配な面があります。
私は投資の話をするとき、資産の数字だけで暮らしを語らないようにしたいと思っています。
朝倉慶さんの見方から考えたこと
経済アナリストの朝倉慶さんは、円安やインフレが続き、株高と金利上昇が同時に進む可能性を語っています。また、株価の上昇には、企業の成長だけでなく、お金の価値が下がることで資産の価格が高く見える面もある、という見方を示しています。
私が考えさせられたのは、「株が上がっているから、みんなが豊かになっている」とは言い切れない点です。
たとえば、預金残高が変わらなくても、同じ金額で買えるものが少なくなれば、暮らしに使えるお金の力は弱まります。一方で、株式は物価上昇から必ず資産を守ってくれるものでもありません。買った価格より下がることもあります。
朝倉さんの見方は、これからを考えるための一つの材料です。私は「この先も必ず株高と円安が続く」という予言として受け取るのではなく、現金だけに頼ることにも、株だけを信じることにも偏らないための問いとして受け取りました。
見通しが外れる可能性も含めて考える。その距離感は大切にしたいです。
円安と金利高には、違う顔がある
円安になると、外貨で値付けされる輸入品などの価格を通じて、家計に影響が及ぶことがあります。反対に、外貨建ての資産は、円に換算した評価額が上がる場合があります。ただし、為替が円高へ動けば、その評価額は下がり得ます。
金利高も、一言で良い悪いとは言えません。預金の金利に関心が向く一方、借り入れの条件によっては返済負担が増えることもあります。株式市場でも、金利の上昇が企業や投資家に与える影響は一様ではありません。
実際、日本銀行は2026年9月、短期の政策金利を1.25%程度に引き上げました。一方で、政策変更後も金融環境は緩和的だと説明し、今後の判断は経済や物価、為替などを見ながら行うとしています。金利が上がったという事実だけから、その先の株価や円相場まで決めつけることはできません。
三つの言葉をひとまとめにして怖がるより、自分の家計のどこに影響するのかを、一つずつ見るほうが私には合っています。
私の投資方針は、予想を当てることではない
私は、将来に向けた資産づくりと、今の暮らしを支えるお金の両方を考えています。だからこそ、日々の相場の見通しだけを理由に、積立や保有資産を大きく変えようとは思いません。
基本に置きたいのは、生活に必要なお金を確保したうえで、余裕資金を長期・積立・分散・低コストで運用することです。株価が上がっているときほど買い急がず、下がったときにも暮らしを崩してまで投資を続けない。その順番を忘れたくありません。
私にとって配当は、日々の生活を少し支えてくれるお金です。投資信託には、将来に向けて長く持つ役割を期待しています。ただ、この組み合わせが、誰にとっても最適だとは考えていません。
円安が続くと決めつけて外貨を増やすことも、金利が上がるからと株をすべて手放すことも、今の私の目的とは違います。相場の予想より先に、何のためのお金なのかを確かめておきたいのです。
上がる数字と、守りたい暮らし
株価が上がれば安心、預金なら安心。そのどちらも、私には少し言い切りすぎに感じます。
私は、生活に必要なお金は確保したうえで、投資に回せるお金は基本的に投資しています。相場が下がったときのために、まとまった資金を別に待機させることはしていません。
いつ下がるのか、どこが底なのかを、私には当てられないからです。下落を待つ間に株価が上がり続ければ、その時間も逃してしまいます。だから私は、先の値動きを予想して売買を大きく変えるより、積立と保有を続けることを選んでいます。
もちろん、フルインベストなら不安がなくなるわけではありません。資産の評価額が下がっているときも、必要に応じて資産を取り崩すこともあります。相場が落ち着くまで待てるとは限らない暮らしの中で、自分が続けられる方法を選びたいと思っています。
朝倉さんの言葉は、株高・円安・金利高という変化を考えるきっかけになりました。ただ、強い見通しをそのまま売買の答えにはしません。私は私の暮らしを基準に、投資を続けていきたいです。
5. 注意書き
この記事は、筆者の考えと公開時点で確認した情報をまとめたものです。投資判断はご自身の家計や目的に応じて行ってください。株式や投資信託には元本割れの可能性があります。


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