値上がりが続くと、積立まで頑張りたくなる
食費や日用品の負担が増えると、今月の生活費だけでなく、将来のお金まで気になってくることがあります。
「この先も物価が上がるなら、もっと投資したほうがよいのでは」
そう考える気持ちは理解できます。一方で、生活費が増えているところへ積立額まで増やせば、今の暮らしの余裕は小さくなります。
私が言いたいのは、物価が上がるときほど、投資額より先に家計の余白を確かめたい、ということです。
私は、将来に備えるための投資で、今日の暮らしを苦しくしたくありません。
長期・積立・分散・低コストを基本に、将来への備えは続けたい。そのためにも、以前決めた積立額を、今の生活に合っているか確かめずに守り続けることには慎重でありたいと思います。
物価の数字と、自分の負担を分けて考える
物価のニュースでよく見かける「消費者物価指数」は、家計が購入する商品やサービスの価格変動を総合的に表した指標です。一定の消費構造を前提としているため、その数字が、そのまま自分の生活費の増加率になるわけではありません。stat.go
食費に多く使う人と、住居費の割合が大きい人では、負担を感じるところも違うでしょう。
また、支払いが増えた理由は、値上がりだけとは限りません。買う量が増えたのか、必要なものが変わったのか、一時的な出費が重なったのか。そこを分けて見る必要があります。
私なら、まず最近の支出を振り返り、毎月続く負担と、その月だけの出費を整理したいです。
世の中の物価を知ることは、自分の暮らしを考えるきっかけになります。ただ、積立額を決める最後の基準は、ニュースの数字ではなく、自分の家計に置きたいと考えています。

投資の前に、お金の使い道を確かめる
口座にお金が残っていても、そのすべてを投資に回せるとは限りません。
J-FLECでは、お金を「日常生活に必要なお金」「近い将来に使う予定のお金」「当面使う予定のないお金」に整理する考え方を示しています。投資は、当面使う予定のないお金で行うのが基本です。
私は、積立額を考える前に、次の順番で確認したいと思います。
- 毎月の生活に必要なお金
- 近いうちの支払いに備えるお金
- 急な出費や収入の変化に備えるお金
- そのうえで、長期の投資に回せるお金
急な出費に備える生活防衛資金も、全員が同じ金額でよいとは考えていません。収入の安定性、住居費、保険、働き方、予定される支出などを踏まえ、必要な備えを考えるつもりです。
私は、積立の引き落としができることと、その金額を続けられることは、別だと考えています。
引き落としのあとに、使う予定のお金を取り崩して生活費を補っているなら、積立額を見直す余地があるのではないでしょうか。
生活費が増えた分を、数字で見てみる
ここで、仮の例を考えてみます。私自身の家計の数字ではありません。
毎月の生活費が8,000円増え、手取り収入と、ほかの支出は変わらないとします。この状態が12か月続けば、家計の余裕は年間96,000円減る計算です。
これは毎月同じ増加が続くという仮定であり、臨時収入や一時的な出費は含めていません。それでも、毎月の差が積み重なる様子は見えてきます。
このとき、考えられる選択肢は一つではありません。
- 積立額を維持し、増えた生活費をどこで吸収するか確認する
- 積立額を減らし、今の支出とのバランスを取り直す
- 一時的に積立を止め、再開を検討する時期や条件を決める
生活費が8,000円増えたから、積立も必ず8,000円減らすべき、という話ではありません。収入の見通しや現金の備え、ほかの支出によって判断は変わります。
また、これからの積立額を変えることと、すでに持っている資産を売ることは、別の判断です。今回の記事では、まず毎月の家計から新しく投資に回す金額を考えたいと思います。
投資には元本割れの可能性があります。必要なお金を、値上がりを期待して投資で補おうとすることには、私は慎重でありたいです。
支出は見直したい。でも、暮らしを削りすぎない
積立額を変える前に、支出を確認することにも意味があります。J-FLECの家計管理資料でも、収入と支出を把握し、支出を見直したうえで、お金を貯める・増やす仕組みを整える流れが示されています。j-flec.go
使っていない定額サービス、内容を把握していない契約、習慣だけで続けている買い物。そうした支出は、一度立ち止まって確かめたいところです。
ただし、支出を減らすこと自体を目的にはしたくありません。
食事や健康、学び、趣味に使うお金には、それぞれの意味があります。投資額を維持するために、暮らしの楽しみまで一律に削る考え方には、私は乗れません。
たしかに、将来のために今の支出を控える選択にも合理性はあります。それでも、どの支出を控えるかは、自分が守りたい暮らしと一緒に考えたいです。
一方で、「今を大切にするから」と、将来への備えを何も考えないままにすることにも、私は納得できない部分があります。
使う、貯める、投資する。その配分を、今の生活に合わせて整え直すことだと思います。
守りたいのは、金額より続けられる仕組み
私が守りたいのは、毎月同じ金額を積み立てたという記録ではありません。今の生活を支えながら、将来への備えも続けられる仕組みです。
積立額を見直すときには、毎月の収支だけでなく、現金の備えが減り続けていないか、予定している支払いのお金が確保できているかも確認したいと思います。
減額や一時停止を選ぶなら、そのまま忘れてしまわないよう、次に見直す時期を決めておく。収入や支出が落ち着いたときに、改めて考えればよいでしょう。
物価が上がったからといって、投資まで頑張り続けなければならないとは思いません。
暮らしの変化を見ないまま、投資額だけを守ることには、慣れたくないと感じています。今日を支えるお金と、将来に備えるお金。その両方に目を向けながら、私は投資を続けていきたいです。

注意書き
投資判断は、ご自身の資産状況、収入、生活費、将来の支出、リスク許容度などに応じて行ってください。投資には元本割れの可能性があります。本文は、特定の投資行動や金融商品、銘柄の購入・売却を勧めるものではありません。


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